エビネラン [庭の花々]
子どもの頃、自宅の裏山には小さな畑ありました。畑の周りに山桜、樫木が植えてあり、季節ごとに自然のものを利用して、遊ぶことが出来ました。
よく遊びに行った里山に、お宮へ続いている細い道がありました。人が通るような道ではなく、今思えば、山の水が流れる水路が枯れて、道に見えたのかも知れません。ある日その道を一人で上っていったところに、見たこともない美しい花が群生しているのに出会いました。香りも心地よく、子どもながらにこんな美しい花があるのだと、とても感動しました。
大人になって、その植物が「エビネラン」であったことを知りました。知り合いの人が下さった色とりどりのエビネランが葉山の実家で増えたので、自宅にも少し植えてみました。日陰を好む植物を植えるにはあまり条件の良くない庭ですが、今年やっと花を咲かせてくれました。かつて近所の友達と秘密の基地にしていた杉林の広場も懐かしい山道も、もうすっかりなくなってしまいましたが、この花を見ると、好奇心いっぱいだった子どもの頃の景色がよみがえります。どんな原風景を持って育ったのかというのは、本当に大切なことだと感じます。
投稿者:ゆんたく
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