子育て中の人、子供に関わる人に読んで欲しい本 [本の話]
「言葉を育てる 米原万里対談集」
この本は米原万里さんがいろいろな方と対談したままをまとめてあります。対話の内容から、米原さんの体験や考え方を知ることができました。
一番興味深かったのは、子供時代にチェコスロバキアのプラハで受けた教育について語られた文でした。
*低学年の授業は、算数以外は理科も社会もなく、すべて国語(母語)だった。動・植物の名前、町や村のことも、小説の一節や詩を暗唱しながら学ぶ。言葉の達人にしてあげることが、そのあとさまざまな学問をしていくための基礎体力になるという考えである。
*学校の試験は論文か口頭試問。たとえ答えがあっていても、説明文がわかりにくいと減点される。図書室で本を借りると、返却の際、司書の先生に読んだ本の要約を話さなければならない。このように、人に言葉できちんと説明して、はじめてものごとを理解した、とみなされた。
もっといろいろ紹介したいのですが、この本はぜひ子育て中の人や教育に携わっている人にも読んでいただきたいと思いました。
それからこの本の最後に黒岩幸子さん(ロシア語通訳協会)が、「素顔の万里さん」という題名で書かれた文も素晴らしいものです。米原さんの鎌倉での暮らしや人柄がよくわかり、その場に一緒にいるような錯覚を起こさせてくれる文章です。(ロシア語通訳協会のホームページでも読むことができます。)
米原さんにはもっともっと長生きをして欲しかったです。この先80歳、90歳になる頃、どんな話を書いてくれたのだろうと考えると、残念でなりません。
投稿者:ゆんたく
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